2025年3月4日
国土交通省 近畿地方整備局 建政部 都市整備課
「都市構造再編集中支援事業費補助金」担当者様
意見書
提出者: 住所:京都府舞鶴市喜多1105-40
氏名:舞鶴市立東図書館を守る会 代表 森本たかし
件名:西舞鶴駅東口に建設予定の中央図書館の実施設計に係る「都市構造再編集中支援事業費補助金」に関する意見書
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 私たち市民団体は、舞鶴市における都市構造再編集中支援事業費補助金の交付に関し、重大な懸念を抱いている者として、本事業に係る補助金の交付に関して意見を申し述べます。
【意見書の趣旨】 舞鶴市に対して「中央図書館に係る都市構造再編集中支援事業費補助金」の交付をしないことを求める意見。
【意見書を提出した理由】
1. 事業計画の透明性の欠如 舞鶴市の立地適正化計画や中央図書館建設計画には、市民の意見が十分に反映されていません。特に、中央図書館の建設に際して廃止される東図書館を利用する地域の市民の意見を適切に聞き取るプロセスが確保されていません。
2. 市民との合意形成の欠如 本事業の計画や実施に際し、市民との十分な協議が行われておらず、市民の理解や同意を得た上での進行がなされていません。特に、公共施設の設置に関する議論が不十分であり、市民が事業内容や影響について適切な情報を得られていない状況にあります。 また、舞鶴市は東西二つの中心市街地を持つ複眼都市であり、都市機能の集約化には適切な合意形成が不可欠です。しかしながら、本事業においては、都市機能の集約が進められるにもかかわらず、そのための合意形成の手続きが一切行われていないことが問題視されます。 さらに、本事業の元となる舞鶴市図書館基本計画には、今回の事業で廃止される舞鶴市立東図書館についての記載が一切なく、協議も行われていません。そのため、舞鶴市立東図書館を利用する地域の住民にとっては寝耳に水の事態であり、多くの市民が反対しています。
3. 財政運営上の問題 舞鶴市の財政状況を考慮した場合、本補助金を活用した事業が、市の財政負担を増大させる恐れがあります。事業の長期的な維持管理費を含めた財政計画が不透明であり、結果として市民負担が増加する恐れがあります。
4. 既存図書館の改修・修繕調査の未実施 本事業と合わせて検討すべき既存の図書館の改修や修繕について、調査が実施されておらず、見積もりすら行われていないことが市民オンブズマンの調査により判明しています。このような状況では、新たな施設建設の必要性や費用対効果の検証が不十分であり、国庫の支出として適正ではないと考えられます。
5. 既存図書館の有効活用の可能性 中央図書館の建設により廃止される予定の2つの図書館は、平成初期に建設された鉄筋コンクリート造の建築物であり、適切な改修工事を行えば、今後も十分に使用できる耐久性を備えています。
6. 補助金の活用が建設の主要理由となっている問題 令和6年3月7日、市長が市議会において「国庫補助金や有利な地方債の活用により、整備期間に必要となる一般財源は約5億円程度となる見込み」と説明しています。しかし、これは補助金が使えること自体を主な建設理由としており、本来の公共事業の目的である市民の福祉向上や行政サービスの最適化とは趣旨が異なります。
7. 舞鶴市立地適正化計画との矛盾 舞鶴市立地適正化計画には、約20年後には人口が約5万人にまで減少し、高齢化が進むことが明記されています。このような人口動態の変化を考慮すれば、本来の都市計画はコンパクトで持続可能な形を目指すべきです。しかしながら、今回の中央図書館計画はその方向性に反し、過大な施設を新設する計画となっています。
8. 災害リスクの考慮不足 建設予定地は舞鶴市のハザードマップによると0.5m~3mの浸水想定区域に該当します。しかし、適切な浸水対策がなされておらず、市民からの指摘に対しても市は明確な回答を避けています。
※舞鶴市の基本計画では安全側である京都府ハザードマップを採用
9. 地域経済への影響 計画の実施により、特定の地域(西地区)にのみ資源が集中することで、他の地域の経済や住環境が悪化する可能性があります。
以上の理由により、国土交通省におかれましては、舞鶴市に対する補助金の交付を行わないよう、強く意見を申し述べます。 私たちは国の制度に反対するものではなく、市民との合意形成や合理性のない杜撰な事業によって、大切な税金が舞鶴市のために無駄に使われることに強い懸念を表明しています。 本計画は基本設計の段階で明らかになったため、市民としては実施設計の段階で何とか阻止したいと考えております。万が一、本事業が実施された場合、私たちは何度でも意見を申し述べ、反対の意思を示し続けます。 また、万が一補助金の交付が採択された場合、私たち舞鶴市民はその適正性を厳しく監視していく所存です。
敬具